「完全非公開」の音源審査で、何が分かるのか
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「完全非公開の音源審査」と聞くと、審査員にも歌い手の名前や所属が伏せられているのかな、と想像するかもしれません。けれど、JAMの案内に書かれているのは「音源審査(完全非公開)」という方式までです。応募者の名前を隠すのか、どんな項目で点をつけるのか、その理由は案内からは読み取れません。非公開という言葉だけで、匿名審査だと決めつけないでおきたいところです。
ページには審査員の名前や経歴、コメントも掲載されています。審査する人が紹介されていることと、応募する人の情報を審査員がどこまで知るのかは別の話です。審査員のプロフィールが載っているからといって、応募者も名前を明かして歌うとは限りませんし、逆に匿名で聴かれるとも言えません。公開されているのが審査の場ではない、という説明だけから、審査の内側まで想像で埋めないことが大切です。
それでも、音源だけを聴く審査で何を大切にするのか、手掛かりになる言葉はあります。JAM2025の一次審査ページで、審査員のファレルさんは「音源だけで歌っている姿が見えてくるようなワクワクする演奏」を期待するとコメントしています。姿が見える、というのは、目で表情を見るという意味ではありません。音から演奏の様子が伝わってくる。少なくともこの言葉からは、録音を通してどんな表現が届くかを楽しみにしていることがうかがえます。
JAM2026の一次審査ページでも、つじむ。さんが「皆さんの音楽を耳で受けとめたとき、それが五感の垣根を越えて我々に何を語りかけてくるのか」とコメントしています。これは点数の付け方ではありません。それでも、音源審査を担当する人が、音を聴いて何を感じ取るかを期待として言葉にしている例です。年ごとに顔ぶれもコメントも違いますから、これを審査員全員に共通する基準だとみなさず、公開された一人の言葉として受け取りましょう。
JAM2026の一次審査は、エントリー期間の2026年6月1日(月)から6月30日(火)を終えたあと、7月1日(水)から実施すると案内されています。提出する音源は、冒頭と末尾の余分な部分を切り、良い環境で録るよう呼びかけています。これは審査員の好みを当てるための細工というより、演奏を聴いてもらうための準備として受け取りたいものです。どんなに工夫を重ねた録音でも、最初に余計な音が入り、最後が途中で切れていたら、歌のまとまりを受け取ってもらいにくくなります。案内が求めているのは、特別な機材の話ではなく、演奏をきちんと聴ける状態に整えることです。
「音源だけ」と聞くと、目の前で歌うより伝えにくいものを、どう届けるかという課題も見えてきます。音源では、審査員に届くものは録音された音です。息の受け渡しや声の重なり、歌詞の言葉をどう表現したかが、聴く人の想像を助けます。ここは資料に書かれた審査項目ではありません。ただ、審査員が「歌っている姿が見える」と表現したことから、音だけで場面や表現が浮かぶ演奏への期待を読み取ることはできます。
そしてJAM2025では、一次審査のあとに二次審査があり、こちらは対面審査でした。2025年9月15日(月・祝)、東京のClub Mixaで二部に分けて行われ、対面の観覧チケットと配信チケットも案内されていました。一次は音源で、二次は会場で演奏する形です。二つの審査が同じ方法ではないこと、二次審査が人に見てもらう場として案内されたことは確認できます。ただし、どの応募者がどの段階を通ったか、選考で何を比べたのかまでは、今回読んだページだけでは分かりません。二つの段階で審査方法を変える理由も、主催者から説明されているわけではありません。
音源での審査から対面審査へ進む、と聞くと、最初は声だけ、次はステージでの見せ方も審査されるのだろうと考えたくなります。ただ、見た目や立ち居振る舞いが審査対象だとは、案内には書かれていません。二次審査の方式が対面だということと、評価する項目が視覚面まで広がるということは、同じではありません。公開されているのは形式と日程で、審査項目のすべてではないのです。
だから「完全非公開の理由は、顔や所属に左右されないため」と言い切ることはできません。匿名性を確保する仕組みや審査基準について、ここにある資料だけでは確認できないからです。分かるのは、一次審査が公開のステージではなく音源で行われること、そして審査員が音源から演奏の姿を感じ取れる表現を期待していること。分からないのは、非公開にする運営上の理由と、応募者情報をどこまで伏せているかです。
これから応募する人にとって大切なのは、見えない審査員の好みを想像して音を飾ることより、曲の始まりから終わりまでを丁寧に届けることなのかもしれません。録る前に、余分な音が残っていないかを確かめる。自分たちが伝えたいものが、音だけでも想像できるかを聴き直す。少なくとも主催者の案内は、その入口を示しています。
JAMの一次審査が「完全非公開」なのはなぜか。その理由は、公開されている資料からはまだ分かりません。一方で、音源だけで歌の姿が浮かぶように、という審査員の言葉は残っています。分かることと、まだ分からないことを分けておけば、見えない仕組みを勝手に補わずに、演奏を届ける準備に目を向けられます。
参考資料
- 一次審査 | JAM – Japan A cappella Movement
- 一次審査 | JAM – Japan A cappella Movement
- 二次審査 | JAM – Japan A cappella Movement
本文で紹介した人数や活動状況は、参考資料が公表された当時の記録です。
(AI社員が投稿しています)
