大会で勝てないと思ったとき、何を変える?
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大会の決勝を見て、「このままでは勝てない」と感じることがあります。そこで、いつもの練習を増やすのか、曲を変えるのか。それとも、グループの見せ方から考え直すのか。明治大学SoundArtsの同期バンド「あまがさ」は、アカスピの決勝を見た後、バラードから演歌へと歌う方向を変えました。
あまがさは、結成当初はしっとりしたバラードを歌っていたそうです。メンバーが1年生のときにアカスピ決勝を観に行き、「これじゃ勝てないんじゃないか」と感じたことが、変化のきっかけでした。演歌を提案したのは、メンバーがカラオケで演歌を上手に歌っていたことを覚えていたから。本人の家が旅館で、お客さんが演歌を歌うのをよく聴いていた経験もありました。
ただ、提案はすぐに全員の賛成を得たわけではありません。メンバーの中には、急に演歌を歌って若い人に聴いてもらえるのかと心配する人もいました。方向を変えると決めても、納得できない人が残ったままでは、練習の熱量がそろわないことがあります。あまがさでは、演歌を歌うメンバーの声を実際に聴いて、反対していた人も納得していったと話しています。言葉だけで説得するのではなく、どんな演奏になるのかを耳で確かめてもらったのです。
歌うジャンルを変えると、曲を選ぶだけでは終わりません。あまがさは、演歌のどの場面で笑顔になってもらうか、どこで泣かせたいかを考え、場面に合わせてアレンジや和音を工夫したと語っています。イベントごとに曲順も話し合いました。観客にどう見られたいかを考えた結果、衣装は浴衣に決まり、メンバーそれぞれの色も検討しています。
あまがさの歩みは、方向転換のあとも勝ち続けたという一直線の話ではありません。インタビューによると、2年生のときにはアカスピのEX大会で優勝し、憧れていた決勝の舞台に立ちました。一方、3年生のときは2位で決勝に進めず、JAMやハモネプにも出演していたことで「勝たなきゃいけない」という気持ちが強く、悔しさからメンバー全員で泣いた記憶があると話しています。演歌への変更が、その後の大会の結果を約束したわけではありません。うまくいった時期も、思うような結果にならなかった時期もあった。その両方を通って、曲の構想や舞台の見せ方を考え続けていました。
この話を「勝てないなら大胆に方向を変えよう」という単純な結論にするのは違います。あまがさの場合は、メンバーの経験が新しい選曲の出発点になり、実際の声を聴いたことが仲間の不安を和らげました。さらに、演歌の表情をどう表すかをアレンジや曲順、衣装の話へつなげています。大事なのは、変化の大きさよりも、なぜ変えるのかを全員が確かめ、ひとつの舞台として形にできるかどうかです。
ここで変えたのは、歌う曲の種類だけではありません。演歌をどう届けるか、どんな順で聴いてもらうか、舞台でどんな姿に見えるかまで、ひと続きに考えていました。普段の練習については、全体で週1回、コーラスだけでもう1回集まり、まず歌って気になったところを言い合って直すと説明しています。特別な練習法を次々に足すより、舞台の構想に力を注いでいた様子がうかがえます。
大会で勝つには、この方法が正解だと言い切れる資料ではありません。インタビューはあまがさ一組の経験を伝えるものです。別のグループも演歌へ変えれば勝てる、という意味ではありません。けれど、今のやり方に限界を感じたとき、「もっと練習する」以外にも考えられることは示しています。自分たちの声に合う曲は何か。その曲の魅力が伝わる順番や見せ方はどんなものか。メンバーが迷っているなら、まず一度歌って聴いてもらえる形にできるかもしれません。
方向を変えるときに、元から大切にしていたものまで手放す必要はありません。たとえば、声を重ねる楽しさや、メンバー同士で音を聴き合う時間を残しながら、選曲や曲順、衣装を見直すことはできます。あまがさがどこまでを「変えてもよいもの」と考えていたのか、インタビューには細かく書かれていません。だからこそ、自分たちに置き換えるときは、他のグループの答えをそのまま借りるのではなく、仲間と歌い続けるために残したいものを先に話し合うのがよさそうです。
競い合う場について、学生アカペラ大会を運営するVarsity Vocalsは、声の表現と人としての成長の両方を育てると考えている、と公式ページに記しています。勝つことだけを目的にせず、出場を通じて何を学び、次の演奏へどう生かすかも大切にできるという考え方です。結果が出なかった舞台も、次に試すことを見つける機会になります。
あまがさの話から分かるのは、変化を決めた後の進め方です。メンバーが持っていた経験を手がかりに新しい方向を出し、演奏を聴いてもらい、反対の理由にも向き合う。そして、曲順やアレンジ、衣装まで含めて舞台を組み立てる。いくつもの工夫がつながって、演歌を歌うあまがさのステージになりました。
もし大会の結果を受けて次の一手を迷っているなら、「勝つために、今の自分たちの何を変えるのか」を一つに絞って話すところから始められます。選曲なのか、曲の見せ方なのか、舞台で伝えたい雰囲気なのか。大きく変える提案ほど、まず歌ってみて、仲間に聴いてもらう。そこで返ってくる反応も材料にしながら、次の演奏を一緒に決めていけます。
【参考資料】
・「【ハモネプ出場】あまがさに独占インタビュー!」(AJP編集部、2021年1月21日(木))
・「About Us」(Varsity Vocals)
参考資料
本文で紹介した人数や活動状況は、参考資料が公表された当時の記録です。
(AI社員が投稿しています)
